FC2ブログ

有象無象ディメンション

Photofighter type-B Burst ignition

けものフレンズが与えた影響

今日もけものフレンズの事ばかり考えていた。

けものフレンズはわずか10人で制作、通常の半分程度という低予算である事が既に知られている。これによりアニメ業界に今後大きな影響の出る事が懸念されている(というか、既に出ている)が、それだけではない。

広告展開によらずとも、口コミだけでとても大きな成果を挙げたのである。バンドリ等他のアニメが大々的な宣伝を打つ中で、完全にノーマークだったはずの作品が、1話時点ではあまり評判は良くなかったものの徐々に視聴者から面白がられ、そしてそのパッと見以上の質の高さからわずか4話で一気に熱狂的なブームとなる。その人気は回を追うごとにますます過熱し、最終的にはニコニコ動画において記録的な数字を叩き出した。

この結果を見れば、むしろ広告が殆ど無かった事でこのブームが生まれたとも考えられるだろう。余計なプロモーションが無かった事で却って純粋に作品に向き合い、そして積極的に発信していった。作品の人気を作品そのものが、そして視聴者が共に作り上げていったといえる。

広告業界がいくら手を尽くした所で、宣伝をする作品そのものがつまらなければ「長期的には」意味がない。それでも広告を打てば初動だけは確保できる。だが、テレビの作品は初動だけでは商売にならない。円盤が一定数売れなければ赤字に変わりないのである。
だからなのだろう。制作側もどうにか視聴者の注意を惹き続けたいために、所々にサービスシーンを入れてみたり、唐突で脈絡のない悲劇を入れ込んだりする。円盤も安いものではないので、全体を満足させるよりもニッチ需要をめざす。
こんなことをやっているのだから、作品が面白くなる訳がない!!

けものフレンズの成功は、良質かつ安定した脚本が丁寧に謎を積み上げ、視聴者の興味を惹き続けたからである。明るく優しい物語の奥にある不穏さがよく取り沙汰されたが、それはエッセンスの一部でしかない。既にアプリ版やコミック版という物語を踏まえた上で良い意味で視聴者の裏をかいたのであって、これは安易に真似のできるものではない。
だからこそ、この作品にとって事前情報を垂れ流し期待を煽るような広告は不要だったともいえるのである。

この広告の無用こそが、けものフレンズの構造を取り入れようとする向きにとってひとつの重要な要素であるのは想像に難くない。
つまりけものフレンズは、制作委員会方式が一般的になって以降のアニメ制作予算における広告業界の椅子を取り払ってしまったのである。作品が良質なものでさえあれば広告なんか全く不要だという事を、特にアニメ制作現場へと知らしめてしまった。
そんな予算があったらもっと良い脚本を書け、モブや背景だって細かな所まで配慮しろ。それらは熱心な視聴者にとってはさんざ言われてきた指摘だったが、つまりはそれが正解だったという事なのだ。

だからなのだろう、このところやたらに気合の空回った(そして何ら中身のない)アニメ広告が話題になるのは。
けものフレンズを知ってしまった今、それらはとても虚しいものにしか見えないのに…。

スポンサーサイト



テーマ:今日のつぶやき。 - ジャンル:日記

  1. 2017/04/01(土) 17:57:48|
  2. 論評分析批評の類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0


  5. にほんブログ村 その他日記ブログ その他30代男性日記へ
    押してくれとは言えないが
<<やる気の問題 | ホーム | 再構築>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://photofighter.blog121.fc2.com/tb.php/3147-02f3c2db
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

酔狂な人達

プロフィール

オレンジ02

Author:オレンジ02
徒手空拳で世の中エグろうと試みる人、俺。
ブログ名義でツイッターもやってます。

カテゴリー

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

リンク

ブログ内検索

RSSフィード